8月後半、お盆を過ぎてものんびり構えていたら‥どうも今年も酷暑の昨年に準じて高温で稲の生育も早まり、例年よりも5日以上は早く稲刈り作業がスタートしました。





農機具屋さんから定期点検をしてもらい、格納庫にしまい込んでいた稲刈りマシーン、いやコンバインを準備しました。これから1か月近く頑張ってもらわなければいけない機械の雄姿です。キレイに点検整備してもらってありますが、作業が終わるころには泥だらけ酷使され満身創痍の状態にまでなります。せめてきれいな状態のお姿を画像にと‥
そして、この翌日には初出動することに





運転席からはこんな感じでとてもポジションが高く視界が良好です。
昨年は、酷暑と用水不足により干ばつに近い状況となり高温障害などからコメの品質低下を招きました。全国的に見ても上位等級(1等米)比率が低い状態となり、年の途中からはコメの需給がひっ迫し新米が潤沢に出回る直前の今の時期は市中でも米不足が顕著に騒がれるようになってきています。国内需要はずっと減ってきているはずなのになぜ?と思いましたが、原因には、○R5年産米の品質低下から来る精米時の歩留まりの減少、他にも○インバウンド消費の増加、○小麦価格の高騰によるパンなどの価格上昇をはじめとした食品全体の値上がりと比較して相対的にコメの値段が安くなったことによる消費の増加、○南海トラフへの恐怖からの消費者のコメ備蓄、○コロナ禍を超えての外食消費等の活性化やおにぎりブームなど見聞きしたものでもこれくらいはサッと出てきます。
これに伴い令和6年産米は価格も上がり出荷時に農協等から農家に支払われる概算金も全国的に何割も上昇しているようです。それ自体は農家にとって喜ばしいことであるものの、これが昨今議論されている食料・農業・農村基本法における「合理的な価格形成に向けた食料システムの構築」によることの成果であれば心配もしなくなるのですが、特殊な事情下での需給による一過性のものと思いますので結局は揺り戻しみたいなものが非常に懸念されるわけです。難しいことはすぐに言えませんが農作物の場合、その販売価格は直売するものは別としてなかなか農家が需給状況を無視して値段を決めることはできません。国際情勢をはじめとする諸事情に起因する費用・生産費の高騰を適正に販売価格に転嫁することが大変困難な状況でずっと来ました。個人的には、そもそも農政や米の需給調整の在り方が根深く起因しているとも思います。農家は、農政や毎年の需要供給に踊らされることなく、持続可能な農業生産の基盤を必要としています。
類を見ない大変な被害をもたらす恐れのある台風10号が向かっています。収穫前の米への影響はもちろん全国において多面的に本当に被害の少ないものであって欲しいと願います。
今は、春から手塩にかけて育ててきたコメが無事品質の良いものとして収穫・出荷出来るよう努め、この台風の影響が限りなく少ないことを祈ります。